機械を背負う前に、まず予定区間を歩いて確認します。石、空き缶、枝、針金、テープなどは取り除き、測量杭や配管、境界標など動かせない物には、草を刈り始めても見える目印を付けます。農研機構は、飛散物が周囲の人や車に当たる危険を挙げ、人や動物とは15m以上離れるよう示しています。道路、住宅、駐車車両に面した区間では、距離だけでなく、刈刃を振る方向と飛散先も先に確認します。

複数人で作業する場合は、15mを目測にしないことが大切です。始動前に基準となる距離を実際に確かめ、各人の担当区間を分けます。斜面では上下に並ばず、等高線方向に作業できる配置にします。通行人や家族が入り得る場所では、監視役や作業区間への進入を止める役を決め、作業者へ近づく必要が生じたときの合図も共有します。

刈刃にひび、欠け、異常な摩耗がないかを見て、取扱説明書に従って確実に固定します。刈刃を取り付けた後は回り止め工具を外し、各部のねじの緩みも確認します。障害物へ刃を当てた場合は、見た目に大きな変化がなくてもいったんエンジンを止め、刃が停止してから再点検します。使用する刃や締付方法、点検箇所は機種ごとに異なるため、機体の取扱説明書を基準にしてください。

飛散物防護カバーは、草が絡みやすいという理由で後方へずらしたり、外したりしません。指定位置への装着と破損の有無を確認し、肩掛けバンドとハンドルは重量バランスが取れる位置へ調整します。非常時に機械を身体から切り離せるよう、エンジンをかける前に緊急離脱装置の操作も練習します。保護めがねまたはフェイスシールド、手袋、安全靴、すね当て、イヤーマフなどの保護具も、始動前の一連の点検に組み込みます。

刈払機の騒音下では、後方から声をかけても作業者が気付かず、肩をたたかれて振り向いた際に刈刃が接近者へ向くおそれがあります。連絡するときは作業者の前方へ回り、十分離れた位置から決めた合図を送り、作業者がエンジンを停止し、刈刃が完全に止まったことを双方で確認してから接近します。人や動物が15m以内へ入ろうとした場合も、同じ停止手順を適用します。

一般的な反時計回りの刈刃は、右側で刈ると作業者側へ跳ね返るキックバックの危険があるため、農研機構は左側で刈り払うよう示しています。ただし、回転方向や操作方法は必ず機種の取扱説明書で確認します。刈刃を岩、石、切り株へ押し当てたり、地面へ食い込ませたりせず、膝より高く上げません。草丈が高い場所は上下2段に分け、枝やつるは事前に別の適切な道具で処理すると、無理な振り回しや巻き付きを減らせます。

草やつるが巻き付いたときは、スロットルを戻しただけで手を出しません。エンジンを停止し、刈刃が完全に止まったことを目で確認してから除去します。機械を地面へ置くときや、短い距離でも場所を移るときもエンジンを止めます。移動時は刈刃カバーを装着します。「あと一列だけ」「詰まりを少し引くだけ」という例外を作らず、中断時の動作を統一することが重要です。

始動は刈刃を地面から浮かせた状態で行い、燃料式では給油場所から3m以上離れます。斜面では滑り止めのある靴で一歩ずつ足場を確かめ、等高線方向に進み、急傾斜地では刈払機による作業自体を避けます。盛夏は疲労を感じる前に作業を区切り、再開のたびに「15m内に人がいない、カバーが指定位置、刃と肩掛け部に異常なし」を声に出して確認すると、休憩後の見落としを減らせます。