刈払機を持ってすぐ草むらへ入らず、まず鎌や目印を持って作業範囲を一周します。農研機構は、木の枝、空き缶、石、テープ、針金などを事前に取り除き、測量杭など撤去できない物には目印を付けるよう示しています。草に隠れた支柱、園芸用ワイヤ、ホース、境界標、石垣の張り出しも確認対象です。見つけた異物をその場へ残さず、作業範囲外の決めた場所へ集めます。

草丈が高く足元を見通せない場所は、最初から地際を狙わず、上部を刈って障害物を見えるようにしてから二段目を刈ります。枝やつるは刈刃で無理に処理せず、事前にのこぎりや鎌で除きます。傾斜地では滑りやすい場所や水路側の端を確認し、安定した足場を保てない急斜面には入らない判断も必要です。下見を終えた区画だけを、その日の作業範囲にします。

始業点検では、取扱説明書で指定された刈刃かを確かめ、欠け、ひび、曲がり、取付けの緩みがないかを確認します。エンジンを始動せずに刃を手で回し、振れや異音がないことも見ます。飛散物防護カバーは作業しにくいからと後方へずらしたり外したりせず、所定の位置に固定します。破損していれば使用前に交換します。

スロットルレバーが手を放したときに戻ること、停止スイッチが操作できること、肩掛けバンドと緊急離脱装置が機能することも確認します。服装は裾や袖口が締まった作業着を基本に、飛散物に対応した規格適合の保護めがねまたはフェイスシールド、手袋、安全靴、すね当て、ヘルメット、必要に応じて聴覚保護具を用意します。普段の眼鏡だけを飛散物対策とみなさないことが重要です。

農林水産省の個別機械別留意事項は、作業中、人や動物との間に15m以上の距離を設けるよう示しています。作業前にカラーコーンやロープなどで範囲を分かるようにし、通路、住宅、駐車車両、ガラス面へ飛散物が向かいにくい刈取り方向を決めます。道路沿いや直売所周辺など、人の出入りを止められない場所では、監視役を置くか、通行の少ない時間帯へ変更します。

複数人で刈る場合は、互いの位置が15m以内に入らない区画割りと進行方向を開始前に共有します。作業者へ用事があるときは後方から近づいて肩をたたかず、離れた正面側から視覚で伝える合図を決めます。接近者を認めた作業者は、刈りながら応答せず、エンジンを止めて刈刃の停止を確認してから会話します。騒音下でも守れるよう、「手を上げたら全員停止」など単純な合図にします。

一般的な反時計回りの刈刃では、硬い物へ右側を接触させるとキックバックが生じ、機体が作業者側へ跳ね返る危険があります。農林水産省の研修資料は、刈刃の左側上部、おおむね時計盤の10時から12時の範囲を使い、右から左へ刈る方法を示しています。刈刃を膝より高く上げず、障害物の際で刃を押し込まないことを作業者全員の共通手順にします。

草やひもが巻き付いたときは、スロットルを戻すだけで手を近づけてはいけません。エンジンを停止し、惰性回転を含めて刈刃が完全に静止したことを目で確認し、機械から手を離して姿勢を整えてから除去します。移動時もエンジンを止め、刈刃カバーを装着します。作業日誌には「異物除去」「防護カバー」「15m確保」「停止確認」の四項目を設け、開始前にチェックする形にすると、短時間の草刈りでも省略を防げます。