農研機構は、エダマメの通常の貯蔵可能期間を1~2日間とし、同じ播種日・品種の区画は基本的に一斉収穫となる一方、収穫後の調製・選別には多くの労力と時間が必要だと説明しています。収穫適期に入った面積を一度に刈り取ると、脱莢機より洗浄機、洗浄機より選別台というように、工程のどこかで滞留が生じます。最初に確認すべきなのは収穫機の能力だけではなく、最も遅い工程と予冷庫の受け入れ能力です。

秋田県農業試験場の成果では、「あきた香り五葉」を収穫後27℃に置いた試験で糖含量が収穫直後から減少し、収穫から予冷までを8時間から2時間へ短縮した場合、予冷入庫時の糖と遊離アミノ酸がそれぞれ19%、21%高く維持されました。ただし、これは特定品種と設定条件による試験で、流通過程の一部にはシミュレーションも含まれます。数値を全品種の保証値とはせず、「常温時間を短くするほど品質を守りやすい」という工程改善の根拠として利用します。

富山県農林水産総合技術センターが機械収穫した「たんくろう」を調べた試験では、25℃での常温遭遇が4時間に達すると、冷蔵翌日から莢の黒ずみ症状が急増したため、収穫後3時間以内の冷蔵が必要と整理されています。この結果も品種、機械、温度などが限定された試験です。それでも、夏の作業工程を点検する最初の目標として「脱莢から予冷入庫まで3時間以内」を置くことには実用性があります。産地や出荷先に別の基準がある場合は、そちらを優先してください。

予冷入庫の締切を午前9時とするなら、運搬、選別、洗浄、脱莢に実測した時間を加え、収穫終了時刻と開始時刻を逆算します。初日は収穫量を欲張らず、収穫開始、脱莢終了、洗浄終了、選別終了、予冷入庫の各時刻をロットごとに記録します。3時間を超えた場合は作業者の頑張りで埋めず、次回の収穫ロットを小さくするか、人員と機械の配置を見直します。

改善の要点は、「畑一枚を収穫してから全量を調製する」という流れを分割することです。予冷庫に入る量を一つのロットとし、収穫、脱莢、洗浄、選別、入庫までを完結させてから次のロットへ進みます。待機中の莢は直射日光を避け、地面や熱を持った荷台への放置をなくします。冷却条件や包装方法は予冷設備と出荷規格によって異なるため、集出荷施設の手順に合わせます。

洗浄や選別に時間がかかる場合は、収穫速度を上げるより、遅い工程へ人員を寄せる方が常温滞留を減らせます。予冷庫も、一度に詰め込み過ぎると冷気の通り方が変わるため、庫内の積み方、投入可能量、設定条件を施設担当者と事前に確認します。「冷蔵庫へ入れた」という記録だけでなく、入庫量と入庫時刻を残し、翌日の莢色や張りをロット別に照合できるようにします。

最低限の記録項目は、ほ場名、品種、収穫開始・終了時刻、脱莢時刻、予冷入庫時刻、ロット量、作業人数です。可能なら収穫時と入庫時の品温、翌日の外観も追加します。黒ずみなどが見られても原因を断定せず、常温経過時間、機械による莢への負荷、洗浄後の扱いなどを振り返り、地域の普及指導機関や集出荷施設へ相談します。

同じ播種日・品種の収穫が集中する問題は、出荷期に人員を増やすだけでは解消しにくいものです。今季はロットごとの処理能力を把握し、次作では地域に適した品種と播種日の組み合わせ、共同選別場の日処理量を踏まえて収穫期を分散します。まずは次の収穫日に一ロットだけ計時し、「何キログラムなら3時間以内に入庫できるか」を農場固有の数字にするところから始めます。