農林水産省の2026年7月8日発表では、斑点米カメムシ類の発生が東北、南関東、北陸、四国、九州の一部で多くなると予想されました。7月22日時点の全国一覧でも、北海道から九州まで「やや多い」「多い」とされた地域や注意報発表県が確認できます。ただし、全国情報は地域の傾向を示すものであり、自分のほ場の発生量や必要な対応を直接判定するものではありません。都道府県病害虫防除所の最新情報と、実際の生育状況を組み合わせて使います。

まず、ほ場台帳に「品種」「移植日または直播日」「平年の出穂日」「今年の出穂見込み」「最初の出穂を確認した日」を並べます。農林水産省の資料では、出穂期はほ場全体の約50%が出穂した時期、穂揃期は約80~90%が出穂した時期とされています。地区の代表ほ場だけでなく、早いほ場と遅いほ場を分けて記録すると、畦畔作業や見回りの順番を決めやすくなります。

農林水産省の2026年通知は、畦畔、農道、休耕田の除草を水稲の出穂10日前までに完了するよう示しています。出穂直前の除草は、周辺にいた斑点米カメムシ類の水田侵入を助長するおそれがあるためです。農研機構の畦畔管理ガイドでも、出穂14日前の草刈りが有効とする研究成果が紹介されています。日付を固定するのではなく、地域指針が示す期間と各ほ場の出穂見込みから逆算することが基本です。

作業表には「草刈り予定日」だけでなく、「その日の出穂何日前か」を記入します。作業の遅れに気付いた時点ですでに出穂直前なら、自己判断で一斉に刈らず、地域の病害虫防除所や農業改良普及センターへ対応を確認します。農研機構は斑点米カメムシ類の移動・分散能力を踏まえ、広域の一斉管理が効果的であることも示しています。個々のほ場の出穂差を共有したうえで、集落全体の作業日を調整することが重要です。

見回りでは畦畔の草丈だけでなく、イネ科雑草が出穂している場所を確認します。斑点米カメムシ類の多くは水田周辺の雑草に生息し、イネの出穂期に水田へ侵入します。水田内のノビエやイヌホタルイも増殖源になり得るため、畦畔だけをきれいにして作業完了とはしません。畦畔、農道、休耕田、水田内の順に歩き、穂のある場所をほ場図へ印づけします。

記録は「畦畔のイネ科雑草の穂」「水田内のノビエ・イヌホタルイ」「周囲より出穂が早い、または遅いほ場」の3欄にすると実用的です。農林水産省は、イネカメムシについて、周囲より出穂が早い品種や遅い品種のほ場が集中加害を受けるおそれを示しています。虫の種類や発生程度を外観だけで断定せず、疑わしい虫が見つかった場合は写真や採取個体、確認日時、ほ場位置を添えて防除所や普及機関に相談します。

斑点米カメムシ類は種類によって加害時期や対応の考え方が異なります。特にイネカメムシは、他の主要種と異なり出穂期の籾基部を吸汁して不稔を生じさせることがあるため、前年の経験だけで作業時期を決めるのは危険です。週に一度は都道府県病害虫防除所の発生予報、注意報、地域の生育情報を確認し、ほ場別出穂日と見回り順を更新します。共同防除を予定している地域では、散布予定日が実際の生育段階と合っているかも関係者間で点検します。

本稿は農薬の銘柄や使用時期を一律に勧めるものではありません。農薬を使用する場合は、対象となる虫種と地域の防除指針を確認したうえで、使用時点の登録ラベルに記載された適用作物、対象害虫、使用量・希釈倍数、使用時期、使用回数、使用方法、注意事項を必ず守ってください。出穂日、雑草の穂、地域予察の3点を同じ表に載せることで、草刈り、見回り、地域への相談を遅れにくくできます。